つなぎの作業服の選び方

つなぎの作業服という、上着とズボンが一体となったものがあります。このようなタイプの作業服を選ぶ際に、ぜひとも頭に入れておきたいことがあります。それによって見た目はもちろんですが、使い勝手も変わってきます。

加えて職種ごとに正しいものを選んでおくと、安全性にも影響を与えるため、何でも良いとは考えずにしっかりと選びたいものです。


従業員が同じつなぎの作業服を着ておく意味について

汚れることを気にすることなく、仕事に集中できるという意味でも、従業員に作業服を着せておく意味はあります。おまけにつなぎは上下が繋がっていますから、お腹のあたりから砂や埃、あるいは食材などが入り込んでくる心配を減らせます。

加えて何かの拍子でベルトが緩んでしまい、ズボンがずり落ちてしまうことがあるのです。するとその都度上げないといけませんが、両手がふさがっているのでできません。場合によってはとても危険な状態になることもゼロでないです。

ところがつなぎの作業服の場合は、そのような心配がないのがメリットです。そして同じつなぎの作業服を着ておく最大の利点とも言えるのが、従業員同士の連帯感が生まれやすいところです。

それによって生産性が上がり、ミスが減ったなどといった報告も実際にあるくらいです。また世間に対しても「この会社といえば、このつなぎの作業服」というようなイメージを持ってもらうこともできます。そうなれば従業員が会社のつなぎの作業服を着て作業をしているだけで、宣伝になります。

それ以外にも、お客さんに安心感を与えることができるのも良い点です。極端な話ですが、取引先や自宅にティーシャツにジーパンで現れた場合、怪しむ人は多いでしょう。下手をすると、ふざけているのかと激怒されるかもしれません。

ところが社名が入ったつなぎの作業服を着ているだけで、何という会社から来たのか一目瞭然です。

電気工事関連の会社が選ぶと良いつなぎの作業服

電気工事をする場合に着るつなぎの作業服に求める機能は、何と言っても制電性のあるものです。電気のそばで常に仕事をすることになりますから、選ぶ素材を間違ってしまうと作業服にどんどん電気がたまっていってしまいます。

すると埃などが付着しやすくなるので仕事がやりにくいです。それだけならまだ良いですが、場合によっては付着した埃やゴミに火がつく恐れがあるのです。他にもドアノブに触れた瞬間に、静電気が起こり、爆発するといったトラブルになるケースも少なくありません。

一般的に帯電防止加工などと書いてあるので、そのような表記のあるつなぎの作業服を選んでおくと安心です。また水は電気を流しやすいのですが、それが塩水ともなればなおさらです。つまり電気工事をしている際に、作業服から汗が滴るようでは非常に危険です。

そのため汗を素早く吸収するだけでなく、速乾性のあるつなぎの作業服が理想的です。特につなぎの作業服は、上着を脱いで温度調節をすることが難しいです。

そこで予算に収まる中で、一番高機能なものを選んでおくのが無難です。最近では接触冷感素材と呼ばれるものがあって、触れると冷んやりとしているので長時間働いても体の温度が上がりにくいです。


製造業や工場で働くなら

着やすくて動きやすいというのはもちろんですが、屋外での仕事が中心になるなら、あまり厚手の生地だと暑くて仕事が辛くなります。だからといって、すぐに破れるものだと何着も買わなくていけません。そのため薄くて丈夫な布を使用して作られている、つなぎの作業服にしておきたいものです。

そして電気工事で着るつなぎの作業服と同様に、精密機械を扱っている工場だと静電気は大敵になります。近づいた瞬間に破損させてしまう恐れがあるため、帯電防止加工であるのは必須です。食べ物に関する工場だと清潔かどうかは重要で、抗菌や消臭といった加工がされているものが良いでしょう。

加えて何度も繰り返し洗うことになるので、すぐに加工が取れてしまうようなものは避けたいです。デザインに関してですが、食品関連の工場だとそれほどポケットや工具を引っ掛ける部分などは求められません。むしろ余計な突起物があると、それが何かに当たって落としたり、作業服を破ったりする可能性があります。

そこでできるだけシンプルなつなぎの作業服にしておくのが無難です。

建築関係の仕事で着ることになるなら

建築と言ってもさまざまあるので、一概にはどれが良いのは言えません。ただ溶接の仕事をするのであれば、耐火機能に長けたつなぎの作業服が良いでしょう。常に火花が飛び散っているところで働くわけですから、少しの火で穴が開くようでは買い替える回数が増えて負担になります。

おまけに体を守るという意味でも、多少は暑くても分厚い素材のものを選びたいです。しかし高所での溶接の場合は、極端に厚手のつなぎの作業服では動きに支障が出る可能性が高いですし、それによって転落の危険もあります。

その際にはストレッチ性のあるものを用意しておくと、比較的動きを妨げなくてすみます。また冬場ではつなぎの作業服の上からジャンパーを着ることも多いです。ところが動いていると暑くなりますが、上着を脱ぐと寒いという困った状態になります。

そのような時は背中や脇の部分がメッシュになっているつなぎの作業服にしておくと良いです。これならジャンパーを脱がなくても、前を開けるだけで熱を逃がすことができます。そして寒くなったらチャックやボタンを閉めれば良いので、脱ぎ着する手間を省けます。

試着した時にチェックすること

従業員が多い会社だと、全員に試着してもらうわけにはいきません。そのため代表者の数人で選ぶことになります。その時にできるだけ不満が出ないようにするためには、とにかく試着しておくのが良い方法です。理由は衣服の場合、パンフレットや実物を手に取っただけではわからないことが多いからです。

具体的には肩の周りは動かしやすいか、膝は折り曲げやすいかを見ます。少しでも突っ張るようなら、その素材やデザインは避けておくに越したことはありません。またポケットの位置も重要ですし、閉めるためにはボタンでとめるのか、チャックなのかまたはマジックテープかでかなり使い勝手が違います。

そして意外と見逃してはいけないのが裏地で、特に縫い目が変な位置にあるとそれが気になって仕事に支障が出る場合があるのです。着た時に違和感がないのかを確かめましょう。可能なら現場で働く従業員を数人呼んで意見を聞くと良いでしょう。